2009年3月31日火曜日

足を組む事について


 足を組む動作は悪いと昔から良く言われています。悪いと分かっていても中々やめられない人が多いのです。なぜやめられないのか。また足を組むのは本当に悪い事なのか。
 足を組む理由としては様々な見解があります。例えば長時間のデスクワーク。座位では殿部の同じ場所に圧がかかる為、段々ツラくなってきます。そこで圧のかかる支点をずらす様に足を組むことで身体はツラさから逃げようとします。殿筋のストレッチにもなります。
 
人は足を組むと筋肉を使わなくても足が固定され安定するので、基本的に楽なのです。
 長時間のデスクワーク時など、足を組む事で無意識にでも身体を動かしたりストレッチをしているのであれば、足を組むの動作はむしろ無理に我慢せずどんどんすべきではないのでしょうか?ただ足を組んだ姿勢は「身体をねじっている」という事も忘れてはいけません。骨盤などの歪みを招かない様に足を組むのであれば、左右の足を交互に組む事です。そうすれば偏った歪みにはならないでしょう。(ヒジヤ)

2009年3月30日月曜日

腰痛

腰痛で来院した患者さん。
座り仕事ため、長時間の座位で腰部に痛みがでる。腰部を触ってみたところ、多少張りがある。しかし、張りが取れても痛みに変化が見られなかった。
次に、お腹を触ってみたところ、鼡径部付近の大腰筋・腰方形筋の緊張が顕著だった。この筋肉の緊張が強いと、自然と腰を丸める姿勢になってしまう。そうすると、内臓も締めつけられ、内臓の動きが悪くなる。
なので、お腹をマッサージしたところ、腰の痛みがどんどん取れてきた。
内臓が締めつけられることで腰痛を引き起こしていたのだろうか?
もちろん、内臓も一つの原因ではあるが、大腰筋の緊張が全体を悪い方へ導いていたと考えられる。
長時間の座った姿勢の時に、背中を伸ばしながら作業することを意識しましょう。あと、たまに立って鼡径部をストレッチさせながら歩いてみましょう。

2009年3月24日火曜日

二次的なコリや痛み

 人間は痛みに対処しようと体を動かすことで痛みを緩和したり回避しようとします。しかしその動作により二次的にコリや痛みを招くことが少なくなく、当院の患者さんにも多いため紹介します。

 例えば足首の捻挫による背腰部痛。足首の痛みを回避する為に着地を短くしようと、他方の大殿筋、中殿筋、背部の筋が多く使われます。その状態が数日間続くとどうなるでしょうか?筋疲労はもちろん普段と違う動きをしたことで膝関節や仙腸関節などの関節もズレます。右足首の捻挫が治った処で今度は腰痛や膝関節痛など別の症状で悩まされるのです。

 その他の例として痛みを緩和する為のストレッチがあります。長時間のデスクワークなどでツラくなった殿筋や腰部の筋は足を組む事でストレッチされ、痛みが緩和されるのです。しかしこれでは仙腸関節のズレを引き起こしギックリ腰になりやすい腰を作ってしまいます。

 以上二つの例から、本来痛めた場所を回避したり緩和する動作は二次的に別の症状を招く事が分かります。二次的な症状だけを治療することは根本的な原因を絶っていない為、同じ症状を繰り返す恐れがあります。原因をきちんと見つけて施術する事がとても大切なのです。(ヒジヤ)

2009年3月23日月曜日

五十肩

五十肩ということで来院された患者様。腕を上げたりといった動作には、多少違和感があるがさほど問題なく、唯一結帯動作(帯を結ぶ動作)がまったくできない。三角筋・上腕二頭筋に痛みがでる。全体的に触ってみたところ、腋窩部・頚部・肩甲間部の筋肉が固まってしまっていた。
腋窩部・頚部・肩甲間部の筋肉が緩み動きが出てきたものの、結帯動作時の痛みに変化がみられなかった。
五十肩というのは、筋肉を緩めたり連動性を出すなどの西洋的アプローチでは変化を出すことはできないと感じた。鍼などの東洋的アプローチのほうが変化を出せると思った。

2009年3月19日木曜日

肘の痛み 外側上顆炎

肘の外側に痛みがでる。いわゆるテニス肘と呼ばれている。
テニスのバックハンドやゴルフ、または仕事で手の関節を良く使っていたり、手首をねじる動作をするときは、腕の外端にある外側上顆にくっいている長撓側手根伸筋と短撓側手根伸筋と呼ばれる筋肉に負担がかかりやすい。ちょうどその筋肉がつく肘の外側上顆の部分は筋肉が腱へと移行する部分にあたり、血流が悪く、腱の微小断裂を繰り返し炎症を起こすと考えられます。
30~50歳代の女性に多くみられ、最初は肘の外側の痛みだけのつもりがいつのまにか、肩まで痛くなったりひどい方では首にまで痛みが波及し被害が大きくなる可能性があります。
痛みや障害が小さい時からケアしておくのが養生の基本です。(サ)

2009年3月17日火曜日

頭のコリ

 首や肩がこっている人のほとんどは“頭”もこっています。なかなか自覚することがない頭のコリ。しかし首や肩のコリを楽にする為には頭のコリがとても重要になってきます。そもそも頭はどんな時にこるのでしょうか?
 
 頭は薄い筋肉で全体が覆われています。頭、顔の筋はまとめて表情筋と言い、その名の通り笑ったり怒ったりなど表情を作る時に作用します。笑顔など意識的に表情を作る事も可能ですがほとんどが無意識に行われます。つまり物事を考えたり悩む時も無意識で表情筋を使ってしまっているのです。無意識の為、持続性の収縮を強いられた表情筋はそのまま強くコリ固まってしまいます。この症状は精神的に疲れている人に特に多くみられます。
 他には長時間のデスクワーク。パソコンを長時間見る事は目の筋肉にはとてもツラい事です。そのため合わせずらくなった焦点を合わせようと目の周囲の筋肉が働きます。パソコンの画面を見ている時、眉間にしわがよっていることはありませんか?あれは疲れた目の筋肉を助けようと前頭筋や皺眉筋が働く為です。
 この様に私たちの生活の中には頭がこる原因が多く存在しています。首や肩の筋肉は後頭部から始まるものがほとんどで、頭の筋肉とはとても密接な関係にあります。ですから首肩がツラい時に頭の筋肉のコリをほぐ事はとても効果的なのです。(ヒジヤ)

2009年3月14日土曜日

肩甲挙筋の緊張はなぜおこる?

肩甲間部に痛みを感じる人の多くは、頚部・肩部にも辛さを感じている。特に、肩甲挙筋の緊張(硬結)はほとんどの人にみられる。PC作業や姿勢の影響なども考えられるが、一番は人間の体の構造にある。
人は自分の頭を頚の筋肉で支持しなくてはならず、常に使っている状態であるため頚の筋肉は硬くなりやすい。それと同様に、腕も筋肉で支持され重力もかかっているため肩甲帯にかかる負担が大きい。
肩甲挙筋はこの両方の支持の間でバランスをとっている筋肉であり、どちらか一方でもバランスを崩すと肩甲挙筋にも影響し、硬く緊張してしまう。
頚部の筋肉や肩甲骨・肩甲帯に動きを出してあげることで、肩甲挙筋も連動して動くことができるでしょう。  

2009年3月13日金曜日

偏頭痛

P:毎日、パソコンとデスクワークをしていると、目の疲れ、肩こりと同時に右側のこめかみの部分がズキンズキンと頭痛がしてきます。

D:目の疲労からくる頭痛には頚椎の1番の骨と2番の関節に歪みがあることが多い、この頚椎の1番、2番の骨には頚部、後頭下筋群と呼ばれる筋肉が密に張りめぐらされている。
この後頭下筋群は、頭部の微細な動きに対応しているため、長時間のデスクワークを続けることで、後頭下筋群の過緊張を強いられます。この筋肉が緊張することで交感神経が優位となり椎骨動脈(脳に血液を送る血管)が収縮し脳に送られる血液の流れが悪くなり、部分的な脳虚血がおこり、結果として偏頭痛がおこると考えられます。
このたび来院された患者さんも頚椎の1番2番の関節に筋肉の緊張と骨の歪みがみられ、その部分の関節を調整し筋肉の緊張を取り除くことで、今回は頭痛と肩こりの改善がみられました。(サ)

2009年3月12日木曜日

ぎっくり腰

 重い物を持った時など急になると思われがちのぎっくり腰。それには長いプロセスがあります。
仙腸関節や股関節のズレ、筋肉の炎症などの総称を「ぎっくり腰」と言いますが、私が施術していて多いと思うのは仙腸関節のズレによるぎっくり腰です。痛める人のほとんどは日常生活の中でぎっくり腰になりやすい腰を作っています。
 例えば長時間座位でのデスクワーク。長時間座っているにつれて疲れていた腰をストレッチしようと足を組んだり机によりかかったり。これが仙腸関節の歪みを招きます。この歪みは長い月日を経る事で仙腸関節をはじめ、周囲の筋肉や他の関節をコリ固めてしまいます。時間をかけてコリ固まったものなので激痛はありません。この歪みに対して何らかの力が急激に加わり、ズレが強くなることで立ち上がるのも辛い位の痛み、ぎっくり腰となって現れるのです。
 1年に2~3回、ぎっくり腰をやってしまう人は普段の生活のクセによる仙腸関節の歪みをきちんと治さない限り、予防する事はできません。(ヒジヤ)

2009年3月9日月曜日

腋窩にあるコリ

  • 背中の筋肉が硬くなっている人の多くに、腋窩(脇の下)に硬いコリが存在する。PC作業などにより、肩関節周囲の筋肉を硬くし、肩甲骨の動きも悪くなり、筋肉との連動性を失ってしまうのです。そのせいで、背中の筋肉との連動性も失い硬くなってしまうのです。特に、小円筋・大円筋・広背筋・棘下筋が硬く強張っていることが考えられます。
  • 【鑑別】
  • 小円筋・棘下筋―上腕を外旋させて痛みがあるか。しかし、小円筋と棘下筋は隣接してるため鑑別が難しい。
  • 大円筋・広背筋―上腕を内転させて痛みがあるか。広背筋は腕を上げた状態から引き下ろす時にも働く筋なので、鑑別しやすい。
  • 鑑別して痛みや筋の引きつれを感じた部分の筋肉に動きをつけてあげることで、肩甲骨に運動性が出て、背中の筋肉も連動して動きがでるでしょう。

2009年3月7日土曜日

筋肉痛

P:昨日スノーボードを久しぶりにしてひどい筋肉痛です。普段運動をしないからか少し動かすだけでもツラい状態。マッサージで改善しますか?

D:はい、改善します。痛みをゼロにするのは難しいですが動かすとツラいのはなくなりますよ。人間が痛みを感じるのは、そこに生じた発痛物質が神経を刺激するからです。筋肉痛は伸長性運動で筋線維に損傷を与える事で起こると言われています。伸長性運動とは、筋肉に力が入った状態で伸ばされる運動の事を言います。
また筋肉痛が生じるのに1~3日かかるのは、損傷した筋線維自体に痛みを感じる神経が無い為、損傷した部位の炎症が神経のある筋膜に達して痛みを感じるまでの時間と思われます。
この様に筋肉痛は筋線維の損傷と炎症で起こるものです。炎症した部位の治りが早まるように循環を良くしてあげるマッサージなどで施術する事が大切なのです。(ヒジヤ)